長崎工業会は、本会会員企業の経営力強化に資するため、近年、脱炭素化に必要不可欠なエネルギー源と位置づけられている水素について、最新の動向や技術に関して、専門家による勉強会を実施し、会員企業17名が参加した。
また、本事業を創立20周年プレ記念事業として位置づけ、来年度5月に開催する本会創立20周年記念事業に向けての機運醸成を図った。
勉強会は、講師に佐世保工業高等専門学校の機械工学科 准教授の西口 廣志氏を迎え、「地域と地球を救う水素エネルギーの可能性とKOSENの連携」をテーマとして、WEB会議システムを用いて実施された。
はじめに、西口氏の過去の研究成果として、「炭素鋼の強度特性に及ぼす水素の影響(水素脆化)の解明に関する研究」「高圧水素タンクのFEM応力解析」「水素侵入防止膜の開発」「水素発生・貯蔵・消費の三立型燃料電池船の開発」などが紹介された。
続けて、長崎・佐世保の水素エネルギー社会の実現に向けての課題として、「可動式水素ステーションの導入」「安定的な水素の消費先として、バスなどの公共交通機関等への利用」「メンテナンス体制の強化」などを挙げた。
最後に長崎や佐世保の企業をはじめとした各企業の水素に関連する研究成果について、広く紹介し、県としてのビジョン設定の必要性を述べた。
講師講演後は、参加者と専門的な内容も含めた活発な意見交換が行われ、有意義な勉強会となった。
▲水素エネルギー社会の実現に向けてビジョンを提示する西口氏